2026-09-14
豊胸後のリップリング現象の原因とは?再手術は必ず必要?<専門医が解説>
豊胸後に胸の表面が波打つ「リップリング現象」の原因と対処法を解説。自然な現象か再手術が必要かの見極めポイント、痩せ型に起こりやすい理由、脂肪移植による改善策などを専門医が詳しくお伝えします。

豊胸手術を受け、
満足のいく日々を過ごしていたある日、
ふとシャワーを浴びたり鏡を見たりしたときに
胸の表面が波打つように
凸凹しているのを発見し、
驚かれる方がいらっしゃいます。

ネットで症状を検索してみると……
「副作用だ」
「今すぐシリコンバッグを抜去しなければならない」
といった怖い情報が溢れ、
不安がますます大きくなってしまうものです。
このように、胸の表面が波打つように見えたり
触れたりする現象を
「リップリング」と呼びます。



単刀直入に
結論から申し上げますと、
リップリング現象が現れたからといって、
必ずしも何かが間違っているわけでも、
今すぐ再手術をしなければならないわけでもありません。
症状が現れる条件によっては
自然な現象である場合もありますし、
修正が必要な
状態である場合もあるからです。
今回は、リップリングが
いったいなぜ生じるのか、
そしてどのように対処すべきなのかについて、
順を追ってわかりやすく解説していきます。
1. リップリング現象、なぜ起こるのでしょうか?

リップリングを理解するためには、まず
この事実を知っておく必要があります。
「シリコンバッグの内部にシワができること自体は、正常な現象である」という点です。
風船を思い浮かべていただくと
理解しやすいかと思います。
風船に水を満杯にせず、
少しゆとりを持たせて入れると、
表面があちこち折れ曲がって
シワができますよね?
シリコンバッグも同様です。
硬すぎると
自然な動きが
出にくくなってしまうため、
あえて柔軟に設計されています。
その柔軟性があるからこそ、
内部で折りたたまれる部分が
どうしても生じてしまう構造なのです。
つまり、横になったり動いたりしたときに胸が
自然についてくるのも、
この柔軟性のおかげです。

本当の問題は、
「そのシワが外側から見えるかどうか」です。
豊胸手術を行うと、
バッグの上には皮膚や脂肪層、
そして筋肉が何層にも重なって
覆っている構造になります。
このカバーの役割を果たす組織が
十分に厚ければ、
内部の折りたたまれが外側に
現れることはまったくありません。
しかし、このカバーが薄くなると、
内部のシワが表面まで
そのまま透けて見えたり、
触れたりするようになるのです。

では、この「カバー」が薄くなる
原因は何でしょうか?
大きく分けて3つの状況があります。
1)生まれつきの組織そのものが薄い場合
皮膚が薄かったり、もともと脂肪層が
少なかったりする方は、
バッグを包み込む力自体が
どうしても不足してしまいます。
同じバッグを入れても、
リップリングがより目立ちやすくなります。

2)組織が耐えきれないサイズを選択した場合
小さなベッドに大きすぎる枕を入れると
カバーがピンと引っ張られるように、
体型に対して大きすぎるバッグが入ると、
皮膚組織が薄く引き伸ばされ、
表面に透けて見える確率が高くなります。
3)バッグの挿入位置
バッグが大胸筋の上にあると、
皮膚と直接接するため、
シワが見えやすくなります。
逆に大胸筋の下に挿入すると、
筋肉という分厚い布団が
もう一層上から覆ってくれるため、
リップリングがはるかに起こりにくくなります。
ただし、もともと筋肉が届かない
下部や外側までは
完璧にカバーするのが難しい場合があります。
2. なぜ「痩せ型」の人にリップリングが起こりやすいのか?

とりわけ小柄で痩せ型の方に、
リップリングのトラブルが
比較的多く見られます。
その理由は、先ほど説明した
根拠と直結しています。
生まれつきバッグを覆うための
皮下脂肪層や皮膚組織の量が
絶対的に不足しているからです。
そのため、痩せ型の方ほど
「とにかく柔らかい触感」だけを追求するのは
リスクを伴うことがあります。

ここには、バッグの特性による
ジレンマが存在します。
1)充填率
2)ゲルの粘弾性(コヒーシブ性)
過去のスムースタイプのように、
シリコンゲルが80%程度しか充填されていない
充填率が低い製品や、
ゲルが流動的で柔らかすぎる製品は、
触感は非常に柔らかいものの、
空きスペースが多いためシワができやすくなります。
一方、ゲルがしっかり満たされており、
弾力のある粘弾性(凝集力)が高い製品は、
形態保持力に優れているためシワができにくい反面、
触感はやや張りのある
感触に感じられることがあります。
つまり、痩せ型の方であれば
外側に透けて見える
リスクが高いため、
単に触ったときの柔らかさだけでなく、
凝集力や充填率を
総合的に考慮する必要があり、
シワができにくい製品を
選択することが
予防の鍵となります。

※ ご注意事項 : 術後の管理においても 油断は禁物です。 近年流行している GLP-1などのダイエット注射等により 急激に体重を減量すると、 バッグを覆っていた脂肪層まで 一緒に落ちてしまい、 隠れていたリップリングが 突然表面に現れることがあります。 豊胸手術後の急激なダイエットに 注意が必要なのは、この明確な理由があるからです。 |
3. リップリングは必ず再手術で解決すべき?

ここが最も心配な部分だと思います。
前述のとおり、
腕を大きく動かしたり
身体を前かがみにした時だけ
一時的に見える程度であれば、
ご安心いただいて大丈夫です。
これはバッグが正常に
機能している証拠でもあるからです。
しかし、まっすぐ立っている状態でも
胸の表面が著しく凸凹していたり、
時間が経つにつれて症状が悪化し、
痛みや形の変形を伴う場合には、
専門医による診断が必要です。
とはいえ、診断の結果が必ずしも
「再手術」につながるわけではありません。
原因に応じて、はるかに身体的負担の少ない
解決策が存在します。

まず、急激なダイエットが原因であれば、
減ってしまった体重を少し戻すだけでも
薄くなった脂肪層が回復し、
症状が改善されることがあります。
また、シワが透けて見える薄い部分にだけ
自家脂肪を注入する(脂肪移植)という方法もあります。
薄くなった皮膚組織を
意図的に厚く補強することで、
バッグが透けるのをカバーするのです。
もちろん、被膜拘縮(カプセル拘縮)がひどい場合や、
バッグ自体が破損しているような
重度の場合であれば、
入れ替えや再手術が必要になることもあります。
大切なのは、一人で鏡を見ながら
最悪の状況を想像して悩むのではなく、
正確な原因を特定するために
クリニックを受診することです。
まとめますと、リップリングは
バッグ自体の欠陥や
手術の失敗ではありません。
柔らかい胸を作るための
バッグ特有の自然な
物理的特性にすぎません。
ただし、これが表面に目立って現れてしまうのを防ぐためには、
患者様ご自身の体型を
客観的に分析し、
それに合った種類や挿入位置を決定する
「綿密な術前計画」が極めて重要になります。
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本投稿は、正確な医療情報の提供を目的として、
アモラタ形成外科が医療法第56条を遵守して
直接作成した記事です。
すべての施術・手術は個人差により
大小の副作用が生じる可能性がありますので、
医療陣と十分なカウンセリングを行ったうえで慎重にご判断ください。
よくある質問
胸のリップリング現象が起きたら、必ず再手術が必要ですか?
いいえ、必ずしも再手術が必要なわけではありません。前屈みになった時などに一時的に現れる症状は自然な現象であり、体重の回復や自家脂肪移植など、負担の少ない方法で改善できるケースも多いです。
なぜ特に痩せ型の体型でリップリングが起こりやすいのですか?
シリコンバッグを覆う皮膚や皮下脂肪層が生まれつき薄いためです。カバーの役割を果たす軟部組織が少ないと、バッグのたわみによって生じる自然なシワが皮膚表面に透けたり触れやすくなったりします。
豊胸手術後にダイエットをするとリップリングの原因になりますか?
はい、急激な体重減少はリップリングを引き起こす要因になります。ダイエットによってバッグの上を覆っていた皮下脂肪層が減少すると、カバーが薄くなって隠れていたバッグのシワが表面に現れやすくなるためです。
どのような場合にリップリングで医療機関を受診すべきですか?
まっすぐ立っている状態でも胸の表面が目立って凸凹している場合は受診をおすすめします。また、時間の経過とともにシワがひどくなったり、変形や痛みを伴う場合は精密検査と専門医の診察が必要です。